9回を無失点で切り抜けた西武増田達至投手(35)の、この日“11球目”は、左腕から投じられた。
不慣れなスローに、ペットボトルから出た水がうねる。9回1死二塁、サヨナラ打のヒーロー中村剛也内野手(39)を三塁到達前に、狙った。誰か一緒だと思ったのに「誰もけえへんかったです!! 後ろ向いたら誰も来てない!!」と、ダウアウトに戻ってもハイテンション。まずは先制の一打をお見舞いし「あとで謝ります」と笑った。
0-0の9回、しっかり無失点で抑えた。延長戦になっていればホールドが付き、球団歴代最多記録になっていたが、転がり込んできたのは白星。「うれしいですね」とまた笑う。
開幕直後は失点がかさみ苦しんだが、これで10登板連続で勝利投手かホールドかセーブが付いている。開幕直後には10点台もあった防御率も、この日で3点台に入った。
「いや、もう、ずっと1年間一緒で任されたところを、しっかりと役割を出すってところだけを思ってやってます」
4連勝は勢いが付く。守護神が好調だから、なおさらだ。【金子真仁】