新相棒で大暴れ。ソフトバンク三森大貴内野手(24)が、初回先頭弾にV三塁打の活躍で月間2度目の連勝に導いた。0-1の1回に6戦連続1番起用に応える3号ソロ。2回にも右前適時打、4-4の8回1死二塁では右中間への決勝三塁打で試合を決めた。後半戦からバットをツヤのない型に変え、打率は3割3分3厘と絶好調。若きリードオフマンが15安打7得点の打線を引っ張り、2位ロッテに2ゲーム差、首位オリックスに8差と迫った。

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インパクトから間もなく、三森はバットを放り投げて走り出した。日本ハムの中堅手・江越が打球に飛びつくも、グラブには収まらない。白球は右中間を転々とし、ペイペイドームは大歓声に包まれた。俊足三森は快速を飛ばして三塁に到達。息を切らした24歳がヒーローだった。「チームが勝てたので、はい、良かったです」。2夜連続のお立ち台でも、自分らしく冷静に喜んだ。

4-4の8回1死二塁で、日本ハム池田のカットボールをとらえた。「もうなんとか勝ち越したかったですし。いいバッティングができたと思います」。0-1の1回には今季初で通算5度目の先頭打者本塁打。2回にも右前適時打を放った。「打感がいいんです」と、後半戦からバットをツヤのない型に変えて打率は3割3分3厘と絶好調。新相棒でこの日は3安打3打点、二塁打が出ていればサイクル安打達成という大暴れを見せた。

勝利の裏に指揮官の勇気があった。試合前、藤本監督は左肘を手術したモイネロの代役として松本裕を「8回の男」に指名。右腕は同点の8回に登板し、3者連続三振と圧倒した。指揮官は「あれで流れがきた。松本のピッチングは素晴らしかった」とうなずいた。

三森のV打の直前も、藤本監督の心臓は激しく動いていた。1死から甲斐が四球を選び、代走に周東を送った。延長戦も視野に入る中、扇の要をベンチに下げる決断をした。「勇気がいりました。でも勝負をかけていきました」。執念の采配に選手が応えた。「選手は本当によく頑張ってくれている」。日頃からそう話す指揮官は、拍手でナインをたたえていた。

若きリードオフマンが15安打7得点の打線をけん引。ともに敗れた2位ロッテに2ゲーム差、首位オリックスには8差に迫った。「Aクラスひとり勝ち」は何より大きい。【只松憲】

 

▽ソフトバンク甲斐(2回の左前適時打)「チャンスを絶対に生かそうと集中しました。積極的にスイングを仕掛けることができた。チャンスを生かすことができてよかった」

▽ソフトバンク近藤(4回2死一、二塁から適時二塁打)「打ったのはまっすぐ。2アウトからつないでもらったチャンス。何とか得点に結びつければ、と集中しました」

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