楽天が誇るスピードスターの足が勝利を呼んだ。

2-3の9回2死一、三塁。土壇場でGOサインを出された一走の小深田は「しっかりタイミングを取って、切れたら行こう」。小郷の初球ファウルで西武増田のタイミングをつかむと、2球目で果敢にスタート。捕手は強肩の古賀。絶対にアウトになってはいけない場面で、二塁送球の上をいった。ソフトバンク周東を抜いてリーグトップ23盗塁目を決めた。

勝負の分かれ目だった。二、三塁となり、逆転阻止へ外野は前進。小郷が7球目、中堅手の頭上を越える走者一掃の三塁打を放ち、小深田が決勝ホームを踏んだ。石井監督は「コブちゃんの勇気いる盗塁だったと思う。前進守備してなくても抜けてた可能性はありますけど、さらに前にしたことで後ろのヒットゾーンが広がった」とたたえた。

小深田は「走って欲しい場面で走れる選手になって点につながる盗塁をしたいと思っていたので、今日の盗塁はうれしかった。小郷が打ってくれたので良かった」と喜びに浸った。夏場も交代浴などで体調管理を怠らない。打のヒーローを生んだ過程に、走のヒーローあり。CS圏3位のソフトバンクまで2・5ゲーム差とした。【古川真弥】

 

○…小郷が逆転の決勝打を放った。1点を追う9回2死二、三塁で西武増田から2点適時三塁打。塁上で万歳して喜びを表した。小深田の二盗で外野が前進した。「めちゃくちゃ集中して、いい打席だったと思います。それ(外野の前進)は確認してました。一、三塁だったら多分、捕られていたので、本当、面白いなと思いました」と勝負の分かれ目を振り返った。

 

▽楽天早川(7回5安打1失点)「真っすぐの質は良かったけど、精度自体はまだダメ。(投手コーチの)永井さんにイニング間にアドバイスを受けて修正できたのが良かった」

【関連記事】楽天ニュース一覧