火消しの鬼が降臨した。阪神島本浩也投手(30)が絶体絶命のピンチを切り抜け、自己最多タイの4勝目を挙げた。延長10回1死一、二塁で6番手として登板。「延長になってゼロに抑えれば負けないと思った」と覚悟を決めた。宇佐見を空振り三振に仕留めると、続く木下には3ボールにした時点で申告敬遠。最後は溝脇を三ゴロに仕留め、満塁を無失点で切り抜けた。

一、二塁の状況では珍しい満塁策となったが、岡田監督は「満塁でもええ言うたんよ、木下嫌やったら」と説明。ただ、作戦通り満塁にしたが、溝脇にも2ボールとボール先行。ここで坂本がマウンドに駆け寄った。

「信用してるので、思い切って一番いいボールでいきましょう」

そう言葉をかけられた左腕は奮い立った。内角直球を2球続け、最後は低めフォークで仕留めた。「左の近いところに投げ込んでいけるのが一番の武器だと思う」という坂本の言葉通り、強気に攻め勝利を呼び込んだ。

10回裏にサヨナラ勝ちし、自身に勝ち星まで転がり込んできた。指揮官は「今日は本当に頑張ったよ。宇佐見にはいつも打たれとったからな。あそこは島本しかいなかった、はっきり言うて」と絶賛。中継ぎが踏ん張りつかんだ1勝だ。【中野椋】

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