DeNA藤田一也内野手(41)が、今季限りで現役を引退する意思を固めたことが20日、分かった。近日中に発表される。04年ドラフト4巡目で横浜(現DeNA)に入団。12年途中に楽天にトレード移籍し、13年には二塁のレギュラーとして、球団史上初のリーグ優勝、日本一に貢献した。22年から古巣に復帰。今季も代打の切り札で存在感を示す中、現役生活に別れを告げることを決断した。

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ファン、チームメートから愛された男が、19年間の現役生活に別れを告げる。藤田は横浜時代、ファンから「ハマの牛若丸」と呼ばれ、球界屈指の名手として、数々の好守でチームに貢献。各打者の傾向に応じたポジショニング、グラブさばき、鋭い読みを駆使した「チームを勝たせる守備」で、何度もピンチの芽をつんだ。

13年にはその守備力で、楽天の球団初の日本一に大きく貢献した。その年、田中がシーズン24連勝を記録したが、好守でもり立てる二塁手の藤田の存在は不可欠だった。打撃ではバットコントロールに優れ、勝負強さが光った。ベストナイン、ゴールデングラブ賞を初受賞し、東北を熱くさせた1人だった。

人間的な魅力にあふれ、野手、投手に関係なく、人望の厚さでも知られた。楽天では移籍3年目の14年に選手会長に就任した。オフの自主トレには楽天小深田、西武呉念庭、DeNA蝦名ら若手が弟子入り。キャンプ、シーズン中と藤田の周りには自然と輪ができ、助言に耳を傾ける選手も多かった。

今季は開幕2軍スタートだったが、7月11日に1軍初昇格。28日に抹消されたが、8月22日に再登録され、「代打の切り札」でチームに貢献。打率3割1分3厘(19日時点)をマークする。チームは25年ぶりのリーグ優勝を逃したが、残り9試合でCS争いの真っただ中。全力プレーを貫き、仲間とともに日本一の頂を目指す。

◆藤田一也(ふじた・かずや)1982年(昭57)7月3日生まれ、徳島県鳴門市出身。鳴門一-近大を経て04年ドラフト4巡目で横浜入団。05年7月27日中日戦で初出場。12年6月、内村とのトレードで楽天移籍。二塁のレギュラーを担い、13年の日本一に貢献。ベストナイン2度(13、14年)ゴールデングラブ賞3度(13、14、16年)。22年にDeNA復帰。今季推定年俸1800万円。175センチ、77キロ。右投げ左打ち。

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