今季限りで現役を引退することを表明したDeNA藤田一也内野手(41)が22日、横浜市内の球団事務所で会見を行った。19年間の現役生活に別れを告げる決断を下し「よくここまでできたなと。幸せやったなと思います。監督、コーチ、トレーナーさんに本当に迷惑をかけたし、本当に支えてもらった。今は感謝しかないです。先輩方、後輩たち、同級生と切磋琢磨(せっさたくま)したからこそ、今日までプレーできた。みんなに感謝しています」と涙を流しながら話した。

藤田は、04年ドラフト4巡目で横浜(現DeNA)に入団し、12年シーズン途中に楽天にトレード移籍。13年には二塁のレギュラーとして、球団史上初のリーグ優勝、日本一に大きく貢献した。

22年に古巣のDeNAに復帰し、今季も「代打の切り札」で打率3割1分3厘と存在感を示す中での決断だった。横浜時代には「ハマの牛若丸」と呼ばれ、ファン、チームメートからも愛された。

各打者の傾向に応じたポジショニング、グラブさばきなどを駆使した「チームを勝たせる守備」でチームに貢献。打撃ではバットコントロールに優れ、勝負強さを発揮した。ベストナインを2度、ゴールデングラブ賞を3度受賞した。

人間的な魅力にあふれ、野手、投手に関係なく、人望の厚さでも知られた。後輩たちに伝えたいことを聞かれ「僕みたいなプレースタイルは、ずっと僕自身は脇役だと思ってたので、脇役でもこの歳でもプレーきたよっていう。こういう選手も必要だよっていうことを伝えたいなと思います」と話した。

27日のヤクルト戦(横浜)後に引退セレモニーが実施され、横浜スタジアムメインビジョンでの特別VTR上映のほか、花束贈呈などが行われる。「みなさんもご存じの通り、涙もろいので、たぶん今日からの試合もどこかで絶対に泣いてると思います。引退セレモニーを用意してくれてるので、しっかりそこで感謝の気持ちを伝えたいです。いっぱい泣くと思うので、いっぱい写真を撮ってください」と笑った。