オリックス岸田護2軍投手コーチ(42)が、2日の日本ハム戦で日米通算250セーブを達成した平野佳寿投手(39)を祝福し、“弟分”のすごさを語った。05年のドラフト希望枠で平野佳が入団し、岸田コーチは大学生・社会人ドラフト3巡目で入団。わずか1球で「これは違う」と感じ取ったという。

1年目の春季キャンプ。「希望枠の球はどんなもんかなあ」。そんな興味から、2学年下の平野佳とキャッチボールを始めた。「よーいドンの時点で、こいつには俺は一生敵わんのやろうなって思いました。立ち姿ですかね」。体はひょろひょろだったのに、言葉に表せないすごみがあった。

おおらかな性格の中にある芯を見た。先輩と食事に行っても許容量を超えれば「もうおなかいっぱいです」ときっぱり。お酒も「もう大丈夫です」と、どれだけ年上でもはっきり言える意思があった。2年目のオフからは岸田コーチの古巣、NTT西日本グラウンドでともに自主トレを続けてきた。年俸も上がり後輩も増え、暖かい海外でという案も出たが、平野佳は「NTTがいいでしょ」と即答。恩を忘れず、ぶれない姿に「まあ、漢(おとこ)ですよね」と表現した。

今も顔を合わせれば「どうや体?」と気遣う。平野佳は「どこも張ってるんですわ、疲れてますわ」と言うが、投げ続ける強さを知っている。「弟みたいな感じ。全部好きです、性格から何から。引退する時は間違いなく号泣するやろなと思います」。涙を流す時はまだまだ先だと“兄貴”は願っている。【磯綾乃】

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