中日福敬登投手(31)が14日、自らの“トリセツ”を元に完全復活を目指していることを明かした。国指定難病の黄色靱帯(じんたい)骨化症とされ、昨年10月末に手術を受けた。今年5月に戦列に復帰し、しびれの再発などもありながら29試合に登板し、1勝12ホールド、2・55で終えた。

10月の秋季練習はベテラン枠に入ってフリーメニューで汗を流している。練習がないこの日もナゴヤ球場を訪れ、パワーアップのため1人でトレーニング室にこもった。「今年は全部トレーニングコーチに(オフの)メニューを作ってもらった。15種類くらいあって、このメニューを何日続けたら次の日こうなったみたいな記録に残るじゃないですか」。シーズン中も症状の変化を日記につけてきた。来年1月末までオフのトレーニングも記録していく。

「(治るまで)3年はかかると言われている」という完全復活ロードは自身のためだけではない。今月上旬にはロッテのリリーフ岩下が同じの難病を患い、福と同じ福島県内の病院で手術を受けたばかり。「あとの人たちに伝えるのも大事なこと」と力を込めた。

20年の最優秀中継ぎ左腕は「29試合なんて論外。低く見積もって40試合は投げたい」と意欲を燃やした。【伊東大介】

◆福の難病 昨年9月17日ヤクルト戦(バンテリンドーム)にリリーフ登板した際に、左足に違和感を覚えて降板。国が難病指定する黄色靱帯(じんたい)骨化症と診断され、10月末に胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術を受けた。リハビリを経て今年5月4日に出場選手登録され、同5日巨人戦(バンテリンドーム)で、1点を追う8回に4番手で復帰登板。直後に味方打線が逆転し、1勝目を手にした。6月末に左足にしびれが再発したが、福島県の病院では異常なしと診断された。2軍調整を挟んで9月に再び1軍復帰した。