ロッテ田村龍弘捕手(29)が、佐々木朗希投手(21)への思いを明かした。21年7月9日の日本ハム戦以来、佐々木朗とのコンビで先発マスクはかぶっていない。報道陣から165キロ右腕をリードしたいかを問われると「思わないです。いつも(吉井)監督に『組むか~』って言われていますけれど、『大丈夫です』っていつも言っています。朗希はワンバン止められれば良いでしょ。止める自信、あまりないので」と笑った。

自身は昨季は度重なるケガの影響もあり、わずか2試合の出場に終わった。その間は松川が佐々木朗の“相棒”に。松川が2軍で経験を積む“修行”に出たあとは佐藤都とバッテリーを組んできた。吉井監督も信頼を置く田村との投球を見てみたい部分もあるのだろう。田村は「朗希は自分が投げやすいキャッチャーで。松川とかのほうが年も近いし、気も使わんで良いし。僕だったら若干気を使うところはあるので。自分の好きな球を投げれば良い」と佐々木朗の能力を引き出す捕手像を分析する。

一方で、佐々木朗の野球脳の高さも認めている。「でも、けっこう頭良いですからね。考えて投げています。バッターの反応見たりして。オレが組んでいても、オレに見えていないところが見えていることもあると思うし、朗希が見えていないところが見えることもあると思いますけれど、あいつはそこを能力でカバー出来ると思います」。でも最後には「いつかは組んでみたいですけれどね」。少しほほ笑みながら、本音も漏らした。

来年5月には30歳を迎える。18年には143試合全試合出場を果たすなど、長く正捕手の座を守ってきた。今季も佐藤都らと併用だったが、78試合に出場。「30歳かあ…」と大きく息を吐く。「年下のピッチャーがすごく増えてきているので、足を引っ張らないことと、出来れば僕の気づいたことをしっかり明確なアドバイスをあげたり、出来れば良いかなと。そのためには、ある程度自分の成績、数字を残しておかないと説得力はなくなる」。打者、捕手、両面の課題を克服を秋季練習のテーマに掲げ、取り組んでる。1年間疲労なども感じず、ケガなく出来たことには胸を張った。

今季4度あった「ブルペンデー」では先発マスクをかぶった3度すべてで勝利した。「本当にそこが一番難しかったです」。タイプの違った投手が継投し、登板する状況も違う。「ブルペンデーで任されるってのは、裏を返せば、それだけ監督に期待してもらって、やってくれると信じて、出してくれていると思うので、そこはすごくうれしいところもありましたし、その中でなんとか抑えて、結果だして、田村で良かったってなんとか思ってもらえるようにやっていました」。シーズン中も試合出場の有無にかかわらず、吉井監督と話しをする場面も目立っていた。中心は田村に揺らぎはなかった。

昨季は国内FA権を行使せず残留。今季は海外FA権も取得した。今後の交渉に向けて「なにも考えていない」と明言はしないものの、表情はにこやか。報道陣に「来年もいますよね」と問われると、「そう思っていてください」とグラウンドへ走りに向かった。【鎌田直秀】

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