プロ野球の発展に大きく貢献した野球人に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が14日、都内で開かれ、阪神を38年ぶり日本一に導いた岡田彰布監督(65)が初受賞した。また、3月のWBCで世界一に輝いた侍ジャパンの監督を務めた栗山英樹氏(62)と、米メジャーで日本人初の本塁打王となったエンゼルス大谷翔平投手(29)に特別賞が贈られた。

3人にはメダルと、岡田監督には500万円、栗山氏、大谷投手には300万円が贈られる。

座長を務めた山本浩二氏(77)からは、岡田監督に加え、3年連続投手4冠のオリックス山本由伸投手(25)も候補に挙がった。最終的には全会一致で岡田監督に決まった(ソフトバンク王球団会長は欠席のため、選考を委員会に一任)。

山本氏は「岡田監督とは、そんなに話したことはなく、地味なイメージがあると思っていた。優勝が決まる前にグラウンドで話したが、すごく丁寧に話してくれた。イメージと違うな、というのがあって。四球を重要視したというのは、最近ではあまりないんじゃないか。初球からどんどん振っていけ、というのが今の大勢じゃないか。相手投手に球数を投げさせるという意味で、それが1点差のゲーム(の勝利の多さ)に出た。内野手出身の監督で、緻密さがある」と、四球を重視した手腕を評価した。

オリックス山本については「投手の4冠を3年続けている。そういう意味では十分値するものがある」としながらも、過去の例にも鑑み、最終的に「正力賞は優勝監督」ということで、全会一致で岡田監督に決まった。

特別賞は、門田隆将委員が栗山前監督を推薦。世界一に導いた手腕が評価され、受賞が決まった。

さらに、山本と大谷も特別賞の候補に。ただ、山本は既に沢村賞を受賞していることや、日本人初のメジャー本塁打王のインパクトが大きいことから、大谷に決まった。

 

【選考委員】

山本浩二(野球評論家、解説者)

門田隆将(ジャーナリスト)

高田繁(野球評論家、解説者)

辻発彦(同)

王貞治(ソフトバンク球団会長、欠席)

※昨年まで委員を務め、亡くなった杉下茂氏、中西太氏に代わり、高田氏、辻氏が今年から委員を務める。