西武森脇亮介投手(31)が25日、埼玉・所沢の球団施設で契約交渉に臨んだ。今季年俸の4000万円から、400万円ダウンの3600万円で、育成選手契約を結んだ。

5年目となった今季は中継ぎとして31試合に登板し、2勝1敗3セーブ12ホールド、防御率1・95の成績を残した。だが7月14日に「右上腕動脈閉塞(へいそく)症」で出場選手登録を抹消され、8月8日に都内で「右上腕動脈閉塞症に対する上腕動脈パッチ形成術」を受けた。10月4日に戦力外通告を受け、来季は育成選手として再起を図る。今季の登板を振り返り「開幕してからは納得いかない結果ではあった。5月くらいからはある程度力になれていたのでは」と話した。

術後の経過は良好で、近日中に5メートルで行ってきたネットスローを10メートルまで伸ばす予定。「2月のキャンプ中には傾斜を使うイメージ。基本的には焦らずに」と復帰に向けてのプランを明かした。来季中への復帰をメドに「厳しい場面でも“森脇頼んだぞ”と言われるように一から頑張りたい」と意気込んだ。

手術に至るまでの経過も説明。7月12日ソフトバンク戦(北九州)での登板後に「腕が重くなるっていうか、筋トレした後みたいな状態がずっと続いて」と右腕の異変を感じ、翌13日に診察を受け、緊急入院に至った。投球動作の繰り返しによって、右鎖骨下動脈に血栓ができ、右腕に血液が十分に行き届かない状態だった。右上腕動脈閉塞症に対する手術では、カテーテルを用いて血栓をかき出す手術法が主流。だが「完全な治療法ではないから、いつ再発するかわからない」と医師から説明を受けた。再発の可能性を限りなく0に近づけるために、右脇下から上方向に大きくメスを入れ、血管を縦に裂いて広げ、その上にパッチを当てる「パッチ形成術」を選択したことを説明した。より体に負担がかかる手術法を決断し、完全復帰を目指す。【黒須亮】(金額は推定)