中日涌井秀章投手(37)が27日、ナゴヤ球場で契約交渉に臨み、現状維持の年俸1億円で更改した。

楽天からトレードで加入した今季は先発ローテーションを守って21試合に登板し、5勝13敗、防御率3・97。2軍調整もあったが、打線の援護がない中で奮闘した。ただ「もう少しできたな、という気持ちが一番強い」と明かし、「先発投手はチームに勝ちをつけてなんぼ。いい投球をしたからと言って、チームが勝てなかったのは全部反省すること。来年以降変えていきたい」と視線を先に向けた。

シーズン中には自己最速タイの152キロをマーク。投手陣最年長になる来季に向けて「まだまだ速い球は出せる。160キロまではいかないが155キロくらいまでは何とか」と語り、年齢を感じさせない前向きな姿勢を見せた。

世代交代が進むチームは2年連続最下位。ベテラン右腕はその中で、若竜たちの姿勢に苦言を呈した。「レギュラーを取りに行っている(姿勢)が見えない。レギュラーになれば年俸も上がるし、楽しい思いもできる。レギュラー取りを口に出せば、責任感も出て行動にも表れる」。高卒ドラフト1位で西武に入団した涌井は、松坂や西口らと競ってローテに食い込み、地位を確立させた。その経験からげきを飛ばした。

西武時代の僚友で、前巨人の中島の中日入りが決まった。涌井は「勝負強い。立浪監督は代打の切り札と話していたが、中島さんはまだまだレギュラーを取りに行くと思う。そういう姿勢も野手は見習えばいいと思う」とし、来季チーム最年長となる41歳の加入効果を期待した。投打最年長コンビがチームをけん引していきそうだ。【伊東大介】(金額は推定)

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