広島上本崇司内野手(33)が29日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約交渉を行い、1200万円増の4100万円で更改した(金額はいずれも推定)。

上本は今季もユーティリティー性を生かして新井広島に欠かせない存在となった。守ってはバッテリーと一塁を除くすべてのポジションで先発起用され、打順も今年は初めて4番を任せられたほか、1番から8番で先発出場した。代打成功率も4割6分7厘と高く、与えられた役割をきっちりとこなした。

それでも球団査定ではユーティリティー性を評価する項目はなく、大幅な増額とはならなかった。複数ポジションを守ることは難しさに加え、ミスだけでなく、けがのリスクも上がる。「考慮して評価していただけないかなということは言わせていただきました」と要望。自身のためではなく、今後同じ役割を担うことになる後輩のためでもある。「僕だけの問題じゃない。次に若い選手からもユーティリティー(のタイプ)が出てくると思うので」と改善を求めた。

12年目の来季も「若い子、レギュラー陣が最初にしっかりでていただいて、休みたい時に僕が代わりに出ていけるようにしたいと思う」と超便利屋をまっとうするつもりだ。今オフは例年以上に守備力強化に重きを置いて取り組んでいく。

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