ソフトバンク栗原陵矢外野手(27)が6日、ペイペイドーム内の球団事務所で契約交渉に臨み、700万円減の6300万円で更改した。左膝の大けがから復活を期した今季は8月に右手首を骨折し戦線離脱。96試合の出場に終わり、打率2割3分9厘、13本塁打、49打点だった。雪辱の来季に向け全試合出場&シーズン100打点を宣言。11月に結婚を発表した新婚さんが完全復活を目指す。(金額は推定)

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栗原が掲げた目標が来季への決意を物語っていた。「全試合に出たい。打点は意識しながらやりたいですし、100(打点)あればいいかな。やり切った1年にしたい。1年間、グラウンドに出続けて終われたらいい」。全試合出場&100打点という2つの壁を一気に越えた選手は、南海、ダイエー時代を含めても球団ではわずか6人。三塁手でシーズン100打点は、2001年に123打点をマークするなどした小久保監督しかいない。

「開幕4番」でスタートした今季だった。「すごく自分の中で期待して挑んだシーズンだった」と確かな手応えもあったが、負傷で2度の戦線離脱。8月末には右手首を骨折し、残りのシーズンをリハビリ組で過ごした。96試合出場で打率2割3分9厘、13本塁打、49打点。昨季の左膝大けがから巻き返しを誓った1年だっただけに、「自分の中ですごく残念だった。2年連続でチームが熱い戦いをしている時に(1軍に)いれなかった悔しさがある」と率直な心境を明かした。

愛する新妻のためにも、不完全燃焼では終われない。11月にモデルで活躍する愛甲千笑美との結婚を発表したばかり。栗原は「より一層やらないといけない。家族のために、自分のためにもほんとうにやらないといけない1年」と決意をにじませた。人生の伴侶を得て臨む来季。もちろん、突き抜けた成績を残したい。

小久保監督は来季の構想について近藤と柳田以外はレギュラー白紙を明言する。三塁一本で勝負する栗原は「もちろん意識しています。2月1日(の春季キャンプ初日)に合わせてやっていきます」と万全な状態でアピール合戦に臨む。今オフは後輩でサード争いのライバルでもあり、今季プロ初本塁打を放った井上と米アリゾナで自主トレを行う予定。準備を整えて完全復活の24年シーズンに向かう。【佐藤究】

▼ソフトバンクの選手で全試合に出場し100打点以上は、ダイエー時代の03年城島を最後に出ていない。05年のソフトバンク球団発足以降では初となる。南海時代には野村が計4度達成している。なお今季の12球団でクリアしたのは、セ打点王の牧(DeNA)1人だけで、全143試合に出場し103打点。パの直近は19年山川(西武)の143試合、120打点。

<今季の栗原>

◆オープン戦 打率4割1分5厘で断トツの首位打者に輝く。22年は左膝靱帯(じんたい)断裂の大けがを負い、手術から約1年で復活した。

◆開幕戦 ロッテとの開幕戦は「4番三塁」で先発出場し、6回に決勝3ラン。翌日の同戦でも2戦連発の決勝ソロを放った。

◆1度目の離脱 7月29日のロッテ戦(ペイペイドーム)で左膝を痛めて途中交代。翌30日に「左膝蓋(しつがい)下脂肪体の炎症」で出場選手登録を抹消された。8月16日に1軍復帰。

◆2度目の離脱 8月23日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、ファウルを打った際に右手を痛めて途中交代。翌24日に右手首上部にある「有鉤骨鉤(ゆうこうこつこう)の骨折」と診断され、再び登録抹消。同30日に手術を受けた。9月12日にリハビリ組に合流し、以降は1軍出場がなかった。