投打の主力コンビが逆襲を誓った。ソフトバンク栗原陵矢内野手(27)が29日、福岡・筑後市内のファーム施設で自主トレを公開。

今季から内野手登録に変え、今月28日まで約3週間、米アリゾナ州で打撃改造に取り組んだことを明かした。故障で2年連続不本意な成績に終わっているが、あらためて三塁での1本勝負と100打点を宣言。昨季4勝に終わった石川柊太投手(32)は、大減俸からの巻き返しを期した。

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米国帰りの栗原は、24年シーズンへ覚悟を明かした。「サードで出たい。(登録も)内野に変えます」。捕手で入団したが、22年から2年間は外野手登録。今季から内野手登録に変更し、三塁1本で勝負する。リチャードや井上、野村勇らがひしめき大激戦区のホットコーナー奪取へ、本気度を示した。「とにかく第一に自分のポジションを取る。レギュラーを取って、開幕のグラウンドに立ちたい」と力を込めた。

24年は災いで始まった。「結構、揺れました」。福井県内の実家への帰省中、能登半島地震に見舞われた。大きな被害こそなかったが、自身は3日後に米アリゾナ自主トレへの出発を予定していた。何とか石川・小松空港からフライトできたが、経由先の羽田空港では2日に起きたJAL機と海保機の衝突事故の影響で4時間の遅延に巻き込まれた。北陸を心配つつ、後ろ髪をひかれる思い出の旅立ちとなった。

アリゾナには約3週間滞在。テーマは安定した成績を残すための打撃改造だった。「手で打たないようにとか、基本的なところ」。最短でバットを出す一連の動作を習熟するなど、打撃向上に多くの時間を費やした。「野球をやって元気や勇気を与えるしかない」。故郷に活躍を届けることを誓った米国滞在になった。

今オフ、西武からFAで山川、巨人からトレードでウォーカーが新加入した。栗原が定位置を獲得すれば、その後ろを打つ可能性が高い。「(走者を)かえす。打点にこだわりたい」。昨季の49打点や21年にマークした自己最多の77打点を大幅に超える100打点が目標だ。

仕上がりは順調だ。前日28日に帰国したばかりだが、この日は室内練習場でハツラツとしたキャッチボール、フリー打撃を報道陣に公開。「納得できる結果をキャンプ、オープン戦で出していく。(キャンプ初日から)もちろん。100%でいきます」と気合十分だ。直近2年間はけがにも泣かされ、不本意なシーズンが続く。リベンジを期す「三塁栗原」が、新星小久保ホークスの4年ぶりV奪回に貢献する。【佐藤究】

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