ソフトバンク石川柊太投手(32)が8日、“魔球”習得への手応えを明かした。宮崎キャンプで初めて打撃投手を務め、打者2人に30球を投じて安打性の打球は4本。代名詞のパワーカーブに加え、メッツ千賀や同僚の藤井が投げる「ジャイロフォーク」も試投した。ジャイロ回転して大きく落ちる変化球を武器に、開幕ローテーション入りをつかみ取る。

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石川が、習得中の“魔球”の成果を試した。今キャンプで初めて打撃投手を務め、育成の仲田と野村勇を相手に変化球も織り交ぜて30球。最も手応えを感じたのがフォークで「2球ぐらい、いいのがあった。それを追い求めていきたい」と自信をのぞかせた。

より落ち幅の鋭い、ジャイロ回転での変化を目指している。「今まではボールに回転がかかりすぎた。バックスピンやサイドスピンになってしまっていたので、ジャイロフォークのイメージです。千賀や藤井のフォークのイメージ」と説明した。

ボールの進行方向に対して時計回りの回転をするのがジャイロ回転。かつてチームメートだったメッツ千賀は「お化けフォーク」で有名だが、同じ軌道が理想だ。習得のカギは正しい投球フォームを固めることで「胸椎が反らないように」と言う。投球モーションの過程で腰が反らず、ホームベースに向かって真っすぐ体重移動を行える体幹や柔軟性が必要になる。さらに、中指を主体にボールに回転をかけていく。

石川といえば、120キロ台中盤から後半のスピードで大きく曲げ落とすパワーカーブが代名詞。“魔球”はすでに持っているが、さらに武器を追加する。「投球フォームが良ければジャイロフォークの方が落ちる。全然違います」。倉野1軍投手コーチの助言もあり、投げ込みを重ねている段階。昨季までのフォークは被打率が5割前後もあり、改良する決断を下した。

見守った小久保裕紀監督(52)は「ブルペンも2、3回見ましたけど、高めを中心にやる練習をしてる。ブルペンではものすごい球を投げてました」と期待した。直近3年は2桁勝利から遠ざかっているが、昨季はノーヒットノーランを達成。エース候補が、新たな“魔球”で復活する。【只松憲】

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