広島育成3年目のナックルボーラー坂田怜投手(24)が、1回3人斬りで“魔球”の威力を発揮した。

宮崎・日南市での1次キャンプでの紅白戦の6回に登板。韮沢、大盛を難なく打ち取り、最後は羽月を内角へ急に落ちるボールで空振り三振に仕留めた。全7球すべてがナックルボールだった。真後ろからネット越しに投球を見た新井貴浩監督は「おもしろいね! すごく揺れていた。去年より全然ボールを操れていると思う」と評価した。打席に立った羽月は「『いける』と思って振りにいったら、手元で(膝下に)消えました」と驚きの表情を浮かべた。

地元埼玉の正智深谷から中部学院大に進み、21年育成ドラフト4位で入団した。学生時代には140キロ超えの直球を投げていたが、20年春に不慮の病で心臓を手術した影響で球速が落ちた。そこで同大学の原克隆監督(現帝京平成大監督)の助言を機に転身。プロ入り後も制球力を課題としていたが、この日捕手を務めた高木は「坂田さんは『肩への負担がないから、どれだけでも投げられる』と話していて、相当投げ込んで感覚をつかんだんだと思います」と分析した。入団当初に「『ナックルボーラーは日本で成功しない』とよく言われますが、覆せるようにやっていきたい」と話していた右腕。“魔球”を磨き、今年こそ花を咲かせてみせる。【古財稜明】

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