日本ハムの新ロマン砲“ジェッシー”こと水谷瞬外野手(22)が27日、沖縄での最後の実戦で初の開幕1軍入りをアピールした。巨人との練習試合(沖縄セルラー那覇)の5回に右翼フェンス直撃の二塁打。2回は高橋礼、7回は泉と昨季までソフトバンクで同僚だった2投手とも対戦して刺激を受けた現役ドラフト2期生は、春季キャンプ途中で1軍昇格した勢いのまま、シーズン開幕まで突っ走る。

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水谷は「ノーパワーっす」と苦笑いして腕立てポーズしていた。5回無死一塁で高々と舞い上げた打球は風にも乗って右翼フェンスに直撃。好機を広げる二塁打にも「(柵越えするパワーが)足りんすね、まだ」。それでもまた1つアピールできた打席となった。

ソフトバンク時代に培った「1球1球どういう考えだったのか、全部説明できる打席じゃなかったら意味がない」という意識があるから、新庄監督にも「凡打の仕方がいい」と評価されている。考える力に、ノーステップ打法での技術力、打撃フォームに対応するパワーアップが三位一体となり、新たな環境で覚醒間近となってきた。

この日は新天地で飛躍する思いを強くした、沖縄調整最後の試合にもなった。

水谷 今日は1打席目と3打席目が(高橋)礼さんと泉やったんで、ちょっと気持ちが入った。

昨季まで同僚だった2人との対戦は、同様に新たな環境で再出発している自身にも刺激になったようだ。

高橋礼とは2回に対戦した。「礼さんは打席に行く前に、こっちを見て笑っていたんでちょっと力抜けた(笑い)」。結果はカウント2-2から外角へのボールを打たされて二ゴロも「あれはファウルにしたかった」と反省し、次に生かせる糧をもらった。

18年ドラフトで同期入団の泉とは7回に対戦した。「僕が5位で泉が6位。最初から距離が近かった」と年齢は相手が4歳上だが、親しみを込めて「泉」と呼ぶ。25日には一緒に食事もした。「絶対に打ってやろう」と対戦したが、結果は左肩付近への死球。「デッドボールで…何してんねんって話」と笑ったが、入団時から仲良くしてきた右腕との対戦で初心もよみがえった。

水谷 今年は初めてのチームですし、6年目なんですけど「一から」ってテーマでやっている。一喜一憂せず、もらったチャンスを大事にやっていけたら。

1軍未出場の水谷にとって、ここからが正念場。初の開幕1軍入りへアピールを続ける。【木下大輔】

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