お待たせしました。8日遅れの“開幕”です。開幕1軍メンバーで唯一出番がなかった日本ハム鈴木健矢投手(26)が、5回に今季初登板。2イニングを投げ無安打無失点と好投した。開幕後は2軍で調整登板するなど、来たるべき出番に備えてきた。開幕ローテ入りは逃したが、北のサブマリンは、ここからじわじわ浮上し、チームを勢いづけていく。

   ◇   ◇   ◇

“しんがり”登場の鈴木が、しっかり役目を果たした。4回4失点KOされた加藤貴の後を受け、5回から登板。劣勢の中、2回無安打無失点と、試合を立て直した。大崩れしそうな展開を何とかしのぎ「投げろと言われたところで、しっかり抑えるのが仕事だと思うんで」。多くは語らない。職人のように、淡々と振り返った。

目いっぱい沈み込み、いやらしい角度から攻め込んだ。5回1死では西武外崎相手に、フルカウントから内角低めに114キロのスライダーを投げ込んだ。足元からきゅっとストライクゾーンに滑り込む癖の強いボールに外崎は全く反応出来ず。鈴木は「フォアボールとかでずるずるいったり球数かさんだら打線にいい影響がないので」。6回の死球以外、ほぼ完璧な内容で、西武打線を打ち取った。

開幕ローテには惜しくも入れなかったが、チャンスに備え地道に調整してきた。投球間隔を空けないよう3月30日にはロッテとの2軍戦に1軍登録のまま調整登板。1回無安打無失点と好投し出番を待った。新庄監督には5戦目の3日楽天戦での登板の可能性を伝えられていたが、先発北山が7回1死まで完全投球を披露したため、登板なし。仲間の好投を喜びつつ「先発もリリーフもみんな良くて。投げるところないなって、すねてました(笑い)」。休みになった4日は、10時間睡眠し「寝て切り替えました」と言う。

先発もロングリリーフも出来る万能サブマリンは、チームにとって貴重な存在だ。建山投手コーチは「どこで投げるっていうのは決めずにマルチに働いてもらう。それがチームにとって一番プラス。もちろん先発しないわけでもないですし、いろんなところで」。ピンチの場面で、ぬうっと水面に浮上し、勝機を作り出していく。【永野高輔】

【プロ野球スコア速報】はこちら>>