ソフトバンクが2試合連続のサヨナラ勝利で今季最長5連勝を飾り、両リーグ最速で貯金「10」に到達した。2-2の延長12回2死満塁、相手のパスボールで試合が決まるまさかの展開で4時間36分の死闘を終えた。西武戦で開幕から5戦5勝は史上初めて。1989年(平元)の福岡移転後の球団通算2500勝に王手をかけた。

小久保監督も驚きの決着だった。「あんな終わり方もあるんだなぁ、と」。同点の延長12回2死満塁。ホークスはベンチ入り野手全員を使い切るなど、4時間36分のロングゲームだった。打者は柳田。1ボール2ストライクからの4球目だった。西武ヤンの投じた外角低めスライダーを捕手の古市が捕球できず、白球はホームベース後方に転々…。まさかの捕逸でゲームセット。三塁走者の緒方が悠々とサヨナラのホームを踏んだ。

前日27日に続き、2試合連続の劇的勝利は21年以来3年ぶり。最終回は栗原が先頭打者で出塁し、犠打や申告敬遠、川村の安打でつないだ。締めは相手のミスによるものだったが「勝利の女神は細部に宿る」と言い続け、美しい野球を掲げてチーム作りに取り組んできた小久保ホークスならではの勝利。柳田も「勝ったんで。良かったです」と笑顔だ。指揮官は「本当にどっちに転んでもおかしくない試合だった」とホっと一息。接戦を勝ちきり、5連勝は今季最長。貯金「10」到達は両リーグ一番乗りとなった。

小久保監督は就任以来、再三にわたって「野球はピッチャー」と言い続けてきた。西武は高橋、今井、隅田ら一線級の先発陣が豊富にそろっている。この日も「西武戦は本当に紙一重」と話したが、開幕から同カードで5戦5勝は球団初の快挙になった。警戒する相手にいまだ黒星を喫していないが「交流戦まで(西武戦は)あと7試合もある。全然そんな感じじゃないです」と手綱を締めた。

1989年(平元)、チームは福岡に本拠地を構えた。移転後に積み重ねてきた白星はこの日で2499勝。記念すべき通算2500勝に王手をかけた。2位の日本ハムには3・5ゲーム差に広げ、開幕から約1カ月で独走モードに突入する勢いだ。

チーム101得点は12球団トップ。14本塁打、20盗塁、打率2割5分4厘もリーグトップで、さらに失点57と防御率2・26はリーグ最少。投打の圧倒的な成績で首位に立っている。29日の同戦に勝てば2カード連続で同一カード3連勝。タカが強い。【只松憲】

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