米断ちトレから飛躍をつかむ!

 広島丸佳浩外野手(24)が今オフ、ベスト体重90キロ前後をキープするため食事調整していることを明かした。夕飯は大好きな米を制限し、太らないように細心の注意を払っていると言う。走攻守の3拍子をそろえたまま、バランス良くレベルアップを図る。

 丸は我慢の冬を過ごしていた。もともと「米8、おかず2の割合で食べる」ほどの白米好き。にもかかわらず、今オフは日が暮れたら大好物に別れを告げていた。

 「今まではお米をバンバン食べてしまっていたけど、グッとこらえて…。朝と昼に食べて、夜は炭水化物を取らないようにしています。90キロ以上に重くなったらケガにもつながるので」

 地道な筋力トレを続け、数年前に80キロ台前半だった体重は現在90キロ前後。一方でオフに体重を増加させた後、キャンプイン時に動きづらさを感じる場面もあったと言う。今まで通り肉体をいじめ抜き、バランス良く栄養を摂取しながら、体重を増やさないためには…。考え抜いた結果、夜の炭水化物制限という結論が出た。

 昨季は打率2割7分3厘、14本塁打とブレークし、29盗塁でタイトルを獲得。一方で8月からの盗塁数はわずか3、打率も2割4分5厘と夏場以降は苦しんだ。「シーズン中にウエートトレを続けたかいもあって、今オフはベンチプレスとかも軽く上がるようになった。同じ90キロで中身を濃くしたい」。体重維持で走攻守3拍子そろった中距離打者という特長を保ちながら、1年間フル稼働できる体を作り上げるつもりだ。

 「みんな新たにやっているし、当然また勝負になる。人それぞれアピールの仕方は違う。去年とまったく違う部分で勝負する人もいれば、同じスタイルでどんどん上げていく人もいる。僕は去年と同じ部分でいろいろレベルアップしたい」

 15日から始まった合同自主トレでは輪の中心に立ち、若手を引っ張る姿が印象深い。「はなからチームを引っ張ろうというより、まずは自分のことをしっかりやらないと」。謙虚な言葉を並べるが、その一挙手一投足に強い自覚が表れている。【佐井陽介】