大相撲の前頭石浦(28=宮城野)が「ハンマートレ」と名付けた、珍しいトレーニングで夏場所(13日初日、東京・両国国技館)に向けて調整した。

 4日、都内の部屋での稽古中、巨大なタイヤと10キロ超のハンマーを持ち出して一時、部屋の外へ。通行人が見えたら部屋の若い衆が声を掛けるなど、安全に配慮しながら、頭上に振りかぶったハンマーを、思い切りタイヤに振り下ろすトレーニングを繰り返した。

 腕はもちろん、股関節まわりの柔軟性と筋力強化にもつながっているという。「全身の筋肉をバランス良く鍛えられる」と、効果を実感している。

 今月2日に第1子が誕生したばかりとあって、夏場所にかける思いは一段と高まっている。

 「目標を聞かれた時に、いつもどう答えるのがいいのか分からず困るけど、やっぱり8番。勝ち越しが目標です。特に今場所は、子どもが生まれたので、いつも以上にその気持ちは強い」と、控えめながら勝ち越しへの思いの強さと、父になった自覚をのぞかせた。

 現在、妻子は入院中だというが「会えるのが楽しみなので」と、連日病院に面会に訪れているという。