6日にバイデン次期大統領の当選手続きが行われていた米連邦議会議事堂にトランプ大統領の支持者たちが乱入した事件は、世界中に大きなショックを与えています。
議事堂を取り囲んだ過激派たちがトランプ大統領支持の旗や武器を手にドアや窓を破壊して乱入。警備にあたっていた警察官1人を含む5人が死亡する前代未聞の事件はテレビで生中継され、多くの国民が民主主義の象徴である議会で起きた信じがたい光景を目のあたりにすることになりました。
「選挙に不正があった」「票が盗まれた」と事実に基づかない主張を繰り返し、議事堂占拠というクーデター未遂事件を扇動して民主主義を脅かしたトランプ大統領に対し、ハリウッドセレブからも批判や怒りの声が上がっています。
●マーク・ラファロ
「これはトランプと共謀者たちによるクーデターの試みだ。全てはトランプとトランプ政権の責任。共和党の臆病者は責任を問われなければならない」とツイート。その後も「トランプはもう終わり。二度と大統領になることはない」などと書き込み、トランプ大統領を引きずり下ろすための署名運動への参加を呼びかけています。
●アシュトン・カッチャー
「平和的な政権移行を支持しよう!!それが愛国心だ」とツイートし、バイデン次期大統領への平和的な政権交代を呼びかけています。
●クリス・エバンズ
「言葉がない」とショックの深さが伺えるツイートをし、その後も「(乱入者たちが)白人じゃなかったら大虐殺されていたはず」とつぶやき、昨夏全米を席巻した黒人への人種差別反対運動ブラック・ライブズ・マター(BLM)のデモ隊に対する警察の対応とは真逆だと訴えています。
●ピンク
「米国市民として、退役軍人の娘として、退役軍人の妹として、ワシントンで起きていることを恥じている」と怒りのツイート。
●セレーナ・ゴメス
ツイッターで「6日にワシントンDCで会おう」と支持者に呼びかけ、議事堂へ向かうよう扇動したトランプ大統領を批判するセレブが多い中、ゴメスはソーシャルメディアのCEOを批判。ツイッターやフェイスブックなどのトップに対し、「プラットフォームを憎悪を抱く人たちに使わせた結果」と抗議のメッセージを投稿し、問題の解決を要望しています。ツイッターやフェイスブックは襲撃事件の翌日、トランプ大統領のアカウントを一時凍結することを相次いで発表しました。
●カイリー・クロス
トランプ大統領の長女で大統領補佐官を務めるイバンカ・トランプさんの夫の弟と結婚したクロスは、「正当かつ民主的に行われた選挙結果を受け入れることが愛国心」と乱入事件を受けてツイート。
●クロエ・グレース・モレッツ
BLMの平和的な抗議者たちは警察官に殴打され、催涙ガスを使用され、逮捕されるなど残虐な行為で扱われたが、議事堂襲撃者たちはそういった扱いを受けていないと抗議のメッセージを投稿。「乱入を阻止する兆候が見られなかった」と警察の対応を批判しています。
●レディー・ガガ
「トランプ大統領を弾劾することに集中することを望んでいます」とツイートし、4年後の選挙戦出馬を阻止するために大統領が死亡したり、辞任したりして職務遂行が不可能になった場合に発令される合衆国憲法修正25条の行使に反対の立場を表明。「トランプ大統領はテロを扇動しました。あとどれだけ暴力が起きるの? これはテロです」と書き込んでいます。
●マーク・ハミル
「敗北した我らの大統領以外にこの混乱と無秩序を楽しんでいる唯一の人は、(ロシアの)ウラジミール・プーチンだけ」と皮肉たっぷりにツイート。トランプ大統領のツイッターのアカウントが永久停止された後は、「どう過ごしていますか?」と凍結されたトランプ大統領のアカウントのスクリーンショットを添えて投稿しています。
●アーノルド・シュワルツェネッガー
1938年に起きた反ユダヤ主義暴動クリスタル・ナハトを引き合いに、7分半に及ぶ抗議のビデオメッセージを投稿。「暴徒が破壊したのは議事堂の窓やドアだけではありません。建国の理念、民主主義をも破壊したのです」と語り、オーストリアからの移民として、自身がナチス・ドイツの支配下だった同国で幼少期に体験した経験について語り、史上最も邪悪な政権に加担した罪悪感から、アルコールに溺れるようになった父親から母や子供たちが暴力を受けたことを告白。「嘘で人々をミスリードし、選挙結果を覆そうとしました。トランプ大統領は指導者として失格です。史上最悪の大統領として歴史に残るでしょう。良いことは、彼は古いツイートのようにすぐに消えていくことです」とトランプ大統領を批判しています。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)