当日誌の初回(10月1日アップ)で記した、筆者のアカウントをハッキングし、筆者がアダルトビデオを見て自慰行為をしている様子の映像を入手したなどと一方的に主張し、仮想通貨「ビットコイン」で550ドルを払えという、ややこしい“脅迫メール”を送ってきた自称「国際的ハッカーグループの一員」と、文体などから同一と思われる勢力から、実はその後も時折、執拗にメールが届いていた。

適当に無視してスルーしていたのだが、恐らく同一案件について、11月26日付の「産経新聞」が「偽メールを送りつけ仮想通貨をだまし取る『アダルトサイト動画閲覧 録画』詐欺」とし、今年10月に国内で1000万円相当の被害が発生したとしっかり報じていたから驚いた。

同報道を読むかぎり、すでにまとまった被害が生じている、仮想通貨をからめた新手の「脅迫&詐欺メール被害事件」に発展している可能性があるとみられたからだ。というわけで先月末以来、同勢力からくるメールに対し、筆者は警戒モードを強めていた。

そうした中、数日前に久々に同じ文体のメールが届いた。「またきたな」と思いつつ開くと、これまでと同様「こんにちは!」と冒頭のあいさつだけは礼儀正しい。そしてまたも、「あなたのオペレーティングシステムをハッキングし、あなたのアカウントにフルアクセスできました」などとハッキング宣言をしていた。

前回の当日誌ではその点はあまりほじくらなかったが、この勢力からのメール、日本語がヘンなのだ。別の国の言語を、自動翻訳したかのような妙な日本語が随所にみられ、例えば今回のメールにおいて「あなたのデバイスをロックしたかったのです。ロックを解除するために、私はお金がほしいと思った」などのあたりはよく分からない。

そのあたりはまだいいとしても、本文を読み進めていくと

「私は言う-あなたは大きな変態です。無限のファンタジー!」

という、何が言いたいのか完全に意味不明の箇所があり、もはや笑いをこらえきれないレベルだ。

最後の2行に注目…満員電車内で読んだ際、思わず吹き出してしまい周囲から顰蹙を買うはめに
最後の2行に注目…満員電車内で読んだ際、思わず吹き出してしまい周囲から顰蹙を買うはめに

「大きな変態」の箇所で筆者を罵倒、誹謗中傷しつつも、その直後「無限のファンタジー!」と突然、筆者の存在や能力に宇宙空間のごとき“幻想”があるかのように持ち上げられても、リアクション不可能。

といいつつも近年、ほとんど他人からほめられたことがないので、相手は「脅迫犯」であると分かりつつも若干“良い気分”になる…というわけのわからない精神状態になったから、いよいよ自分で自分のことが心配になる。

冒頭の挨拶だけは明るくさわやかなのが同「国際的ハッカーグループ」の特徴だ
冒頭の挨拶だけは明るくさわやかなのが同「国際的ハッカーグループ」の特徴だ

それはさておき結局、前回と同様、ハッカー側はビットコイン(※今回は548ドルと微妙に安くなっている…)で払えと最終的には要求してきたのだが、文章の最後は日本語がほぼ崩壊しており、末尾の「私に怒らないでください、誰もが自分の仕事をしています。お別れ。」と書かれたあたりは支離滅裂。

結局ビットコインを要求。ただ後半部分の日本語がいろいろとおかしい
結局ビットコインを要求。ただ後半部分の日本語がいろいろとおかしい

もはや同勢力からの最新のメールは、文章がめちゃくちゃで“脅迫”が成り立ちにくいとすら思えるが、現在もひょっとしたら恐怖を感じ、ビットコインで支払ってしまっている日本人の被害者がいる可能性もあるから一笑に付せない案件でもある。

というわけで、特筆すべき動きがあれば続報を粛々と記したい。

【文化社会部・Hデスク】