大阪府知事、大阪市長の「ダブル選」は大阪維新の会が大勝し、吉村洋文知事(43)と松井一郎市長(55)が誕生しました。新しい2トップのもとでスタートを切る大阪府政、市政ですが、「降格」のピンチに気をもむ「副知事」がいます。大阪府の広報担当副知事を務めるマスコットキャラクター「もずやん」です。生涯? 2度目の大ピンチです。

17年から新たな数値目標を設定し、目標が達成できれば再任、できなければ「降格」というギリギリの勝負をしているもずやん。17年は、1年間のツイッター閲覧数などの5つの目標を立てましたが、2つがクリアできずに失敗。降格決定…。ところが、昨年3月、松井前知事からの辞令はまさかの再任でした。「周囲の残留を望む声を忖度(そんたく)して特別扱いにした。(大相撲の)かど番だということを忘れずにやってほしい」。なんとか首の皮一枚、つながりました。

心機一転、昨年4月から1年間の決意として3つの目標を表明しました。

<1>府民の認知度75%

<2>ツイートの閲覧数(月平均)200万件

クリアできなかった数値目標の2つに加えて3つ目の目標として新たに

<3>2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致成功

大阪・関西万博の誘致は成功しました。もずやんも誘致イベントに出演するなど、一役買いました。3つのうち1つはクリア。残り2つはダブル選の影響で成績発表がずれこみ、「現在、ツイートの閲覧数、認知度など精査中です」と大阪府の担当者。

17年の府民の認知度は目標の75%を下回る65%、ツイッターの閲覧数も10万件、足りませんでした。18年の目標数値で最もハードルが高いのは認知度かもしれません。

ダブル選の投開票から一夜明けの8日、吉村知事が府庁に初登庁しました。府幹部や府議らが拍手で出迎える中、もずやんも新知事をお出迎えしました。その日のうちにちゃっかり2ショット写真の撮影に成功し、ツイッターに投稿しました。

ツイッターでは前の上司だった松井前知事には「松井市長!お世話になりました♪ 鶏肉は十分に焼かないと、あカン!ピロバクター、やで」と、しゃれっ気たっぷりに決別の投稿。すぐに松井氏からは、引用したリツイートで「吉村知事に可愛がってもらうんやで! それにしても嬉しそうやなぁ、そういう事なんやな…、僕の大好物は焼き鳥やで!」とチクリ。

新しい上司の吉村知事からは「もずやん、僕は松井前知事みたいに優しくないで。自主自律で、広報担当副知事の立場を全うしてや。出来なかったら…やで」と、再任とも、降格含みともとれる意味深な? リツイートがありました。

これにはもずやん、いつものフレーズ「一鳥懸命(一生懸命)がんばる」のコメントを控えて、「気持ちを引き締めて、鳥(超)頑張ります、やで」。2度目の成績発表までは、「鳥(超)」のつくドキドキモードが続きそうです。【松浦隆司】

(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)