女優安藤サクラ(29)主演映画「百円の恋」(武正晴監督)が3日、第88回米アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選ばれた。同日、日本映画製作者連盟(映連)が発表した。

 「百円の恋」は、引きこもりの女性・一子(安藤)が100円ショップで深夜業務をする中で出会ったボクサー狩野(新井浩文)の練習を見るうちに、ボクシングに没頭する物語。故松田優作さんの出身地・山口県周南映画祭で、優作さんの志を受け継ぐクリエイターを発掘するために12年に新設された脚本賞「松田優作賞」第1回グランプリを受賞した、脚本家・足立紳氏の脚本を映画化した。

 作品性、脚本の質の高さ、安藤の演技力への評価が高く、昨年度の国内外の映画祭、各賞を席巻。第27回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門で作品賞、安藤が第57回ブルーリボン賞、第88回キネマ旬報ベスト・テン、第24回日本映画批評家大賞で安藤が主演女優賞受賞、第24回日本映画プロフェッショナル大賞作品賞と武監督が監督賞を受賞、第34回藤本賞で、佐藤現プロデューサー(東映ビデオ)が奨励賞を受賞。08年の「おくりびと」(滝田洋二郎監督)以来、7年ぶりとなる邦画の米アカデミー賞外国語映画賞受賞に期待がかかる。