心不全のため12日に89歳で亡くなった芸能事務所・芸映会長の青木伸樹(あおき・のぶむら)さんの告別式が、17日、東京都世田谷区の勝国寺青龍殿で営まれ、同事務所の西村知美(45)や桜井淳子(43)、永山たかし(37)、蟹江一平(40)ら芸能関係者約400人が参列した。弔辞は元同事務所所属の岩崎宏美(57)が読んだ。

 遺影は、黒いスーツ姿で青木会長が好きだったという桜をバックに、5年前に撮ったものが使われた。祭壇にも、桜カラーであるピンクや白のトルコキキョウやバラなどが華やかに飾られた。

 弔辞を読んだ岩崎は「青木会長、お久しぶりです。岩崎宏美です。16歳から約10年間、芸映プロダクションでお世話になりました。何もわからない私にたくさんのことを学ばさせていただいたこと、本当に感謝しています」と切り出し、在籍時の思い出などを語った。

 「私のわがままから10年ほど経った時に、芸映とはお別れすることになりましたが、最後に社長が『宏美、一人になるのは大変なことなんだよ』と社長室で静かに私に教えてくださいました。まだ若かった私は自分の意思を曲げずにそのまま去ってしまいましたけれども、ずっと心の奥に申し訳ないという気持ちがたまっておりました」と声を震わせ「いつか必ずご恩返しをしたいと、そんなことをずっと思っておりましたがなかなかチャンスがなくて」と思いを明かした。

 岩崎が青木会長に最後に会ったのは7年前の五木ひろしの周年パーティーだったといい「7年前に25年ぶりに青木会長をお目にかかったことをずっと忘れません。本当にかわいがってくださっていたので、その場でお会いした時には、ほがらかな笑顔で『宏美、お前いい女になったな』と言ってくださったこと、忘れられません。今、久しぶりに拝見して、本当にきれいに歳をとられたのだなと思っています。本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました」。

 式後に岩崎は取材に応じ「ちゃんとごあいさつもできなくてここまできましたので、最後のごあいさつができればと思って」と話した。 かつては青木会長と「しろみ」「とらちゃん」と呼び合う仲だったと明かし、「私は16歳で事務所に入ったので、ずっとお父さんみたいな人だったんですけど、私は子供だったので、事務所にいると(あだ名で)「しろみ」って。父もそう呼んでいたのですが(会長から)『しろみ、元気か』ってよく頭をなでられました。だから私も『とらちゃん、元気?』って頭をなでるっていう。そしたらマネジャーたちが驚いて。すごくフレンドリーな仲だった」。

 訃報は自宅にいるときに元マネジャーから電話で連絡が入ったといい「もっと甘えればよかったなと反省しています。本当にかわいくて照れ屋で穏やかな方だったなと思っています」と故人をしのんだ。