萩尾望都氏の人気漫画「ポーの一族」が、宝塚歌劇で初めてミュージカル化されることになった。

 先日、花組公演「ポーの一族」(来年1月1日~2月5日=宝塚大劇場、2月16日~3月25日=東京宝塚劇場)の会見が、萩尾氏も出席して行われたが、人気漫画だけに、熱狂的なファンから宝塚には、さまざまな意見が寄せられているという。

 演出は小池修一郎氏で、宝塚歌劇団に入る前に、原作を読んで以来、宝塚でいつかはやりたいと思っていたという。

 永遠に生き永らえていくバンパネラのエドガーを明日海りお、シーラ男爵夫人を仙名彩世、アランを柚香光が演じる。

 原作では、エドガーは14歳の設定で、妹メリーベルも重要な役だが、今回は、トップ娘役の仙名演じるシーラ夫人の方が大きな役回りになるという。

 小池氏は「年齢設定はあいまいにした。ヒロインをメリーベルではなく、あえてシーラにした。舞台化が発表されて以降、さまざまな意見をいただいた。『萩尾は許しても、私は許さない』というファンもいた。原作の名場面がないなど、いろいろな意見が出ると思うが、今の視点で成立させたい」と話した。

 72年に第1作が発表されて以来、数多いファン、思い入れの強い熱狂的なファンもいるだけに、舞台化に一層の注目が集まる。

 明日海も「萩尾さん、原作のファンの方など、皆さんを納得できるものを作りたい」と謙虚に話したが、萩尾氏は、「イメージ以上に美しい世界が目の前にある。注文? ありません。もう丸投げでお願いしました」。

 すっかり宝塚に信頼を寄せていた。