先月21日に死去した大杉漣さん(享年66)が初めてプロデュースを手掛け、主演した映画「教誨師(きょうかいし)」(佐向大監督)が、10月6日から東京・有楽町スバル座で公開される。配給元が発表した。6人の死刑囚と対話する1人の男を描いた作品。佐向監督が3年前、大杉さんに企画を相談すると「いいね、やろうよ」と出演を快諾し背中を押されたという。

 大杉さんは脚本や配役にも意見を述べるなど、エグゼクティブプロデューサーとしても作品に精力的に携わった。徳島弁を話す設定の出演者に、同県出身の大杉さんが徳島弁をボイスレコーダーに吹き込んで渡すなど方言指導も行った。撮影現場では「温かくておいしいものがあると士気が高まる」と自腹を切って10日間、毎日ケータリングを発注。フォーなど温かい食事を出演者やスタッフに提供した。製作費の一部も個人で負担した。昨年12月、試写を見た大杉さんは「すごい良かったね。また次の企画を考えよう」と完成を喜び、意欲を示していたという。