「バス・ストップ」の大ヒットで知られる歌手平浩二(69)が15日、都内で新曲「最終便」(28日発売)の発表会を行った。

 過去の悲恋を切なく歌う作品で、作詞・作曲は愛妻の淑江さん(62)が旧姓のTAKAKO(高子)のペンネームで手掛けた。80年に結婚以来、専業主婦だったが、平の一番の応援隊長でもあり「切ない女心を歌わせたら、うちの夫は天下一品」という信念のもと、人生初の作詞・作曲に挑戦した。

 平は「新曲の誕生経緯は、どこの夫婦にもあてはまることと思います。夫婦が互いに支えあい、ともに人生を歩んでいく。曲だけでなく、そんな経緯も知っていただき、夫婦円満のきっかけになってくれれば」と願った。淑江さんは「作詞、作曲はもちろん素人ですが、覚えやすいとみなさんがおっしゃってくださって、とてもうれしい。でも、もう(曲つくりは)いいです」と笑った。

 平は15年にデビュー45周年記念曲として「愛・佐世保」を発表したが、その外注のカップリング曲の「ぬくもり」の歌詞がMr.Childrenの「抱きしめたい」に酷似し、CDが回収される騒動になった。平は当時を振り返り「びっくりしました。歌ったのは僕なので、直接的ではないにしても、責任は感じていました」。淑江さんは「夫婦の中では本当に事件でした。テレビの取材が来たり大変でした。でもバックアップしてくれる方もいて、うれしかったです。ひとつの経験として人生に乗せて、これからも頑張って行きたい」と話した。

 平はデビュー49年で、来年70歳(古希)と50周年の節目を迎える。「ヒット曲を目指すのは歌手ですからこれからも同じです。50周年には『バス・ストップ』など自分の歌を中心に、インストゥルメンタル(メロディーだけ)のアルバムをつくりたい」と話していた。