堂本光一(41)井上芳雄(41)らが出演の「ミュージカル『ナイツ・テイル』inシンフォニックコンサート」が10日、東京芸術劇場コンサートホールで開幕した。

18年に2人が出演した世界初演ミュージカルのコンサート版で、50人編成の東京フィルハーモニー交響楽団と共演した。

新型コロナウイルスの影響で多くの舞台が中止になった。堂本にとっては、2月26日を最後に中止になった演出、主演舞台「Endless SHOCK」以来、約5カ月半ぶりの舞台だ。前日の公開稽古で、堂本は「大事な時間をかみしめたい。東フィルさんの演奏で歌えるなんてなかなかない」と感慨を込めた。先月から舞台に立ちはじめた井上も「公演できることは奇跡の積み重ね。後悔しないよう瞬間、瞬間精いっぱいやっている」と話した。

シェークスピア作「二人の貴公子」のミュージカル版「ナイツ-」を、コンサート形式にした公演。初演メンバーの堂本、井上、音月桂、上白石萌音、大澄賢也、岸祐二、島田歌穂が出演し、休憩なしの2時間に凝縮した。出演者同士、オンライン飲み会を何度も行い、関係を深めてきたという。演出家は英国、音楽監督は米国におり、3カ国をリモートでつないで稽古した。堂本は「気持ちは濃厚接触です」と笑った。

コロナ禍を経験し、2人の心構えも変化してきた。堂本は「幕を開ける勇気より、いざ何かがあった時はすぱっと中止する勇気が必要。稽古をして得たものはなくならない」、井上は「僕たちは1歩踏みだします。止まってしまうことはあるかもしれないけど、また1歩踏みだせばいい」と前向きに語った。

新曲は3曲。世界の現状を反映しつつ、希望を込めた「次は?」という曲もある。堂本は「来年再演できるといいよね、と話している」と、「ナイツ-」の次の1歩を示した。

13日まで同劇場、18~21日は東京オペラシティコンサートホール。

○…公演開催にあたっての主な感染対策は以下の通り。(1)3カ国のリモート稽古(2)出演者は2度のPCR検査(3)出演者、楽団メンバーは、舞台に出る直前までマスク着用(4)メインキャストは2メートルの距離をとりパフォーマンス(5)舞台前方に引いた赤いラインから前に出ない(6)楽団メンバーは左右80センチ、前後1・5メートルの距離を取る(7)アンサンブルキャストは四方をアクリル板で囲ってパフォーマンス(8)舞台裏とロビー、客席の行き来禁止。楽屋見舞いも禁止(9)入場時はサーモグラフィーで検温(10)1公演あたり収容人数約半分の930席