アニメ「ルパン三世」や映画「犬神家の一族」の音楽などで知られる作曲家でジャズピアニストの大野雄二さんが4日、老衰のため都内の自宅で死去した。13日、所属事務所が公式サイトで発表した。84歳だった。葬儀・告別式は近親者で行った。
大野雄二さんは「CM(コマーシャル)が作曲家としての原点」という。
ジャズほど高尚なものはないと確信し、大学卒業後はジャズピアニストを目指した。
知人から「CM曲を書いてみないか」と誘われた。その世界は「インド風の音楽で」「もっとロックで」「2秒縮めて」など無理難題が押し寄せた。
あらゆるジャンルの音楽を聴き勉強し直した。作曲家の才能が磨かれた。
日本テレビ系で、名優・石立鉄男さん主演の数々のドラマ音楽を担当した。コメディーが多かった。
同局からアニメ「ルパン三世」(第2シリーズ)の音楽を依頼され、不滅のテーマ曲が完成した。
CMで学んだ短時間で引き込むインパクト。コメディードラマで学んだ軽妙なメロディーが、得意のジャズとマッチした。
映画「犬神家の一族」は、原作本、映像、そして音楽と三位一体のメディアミックスで大ヒットした。
「どんな名作映画でも音楽の印象が薄い」と強く思っていた。中東に起源を持つハンマーダルシマー(打弦楽器)を用いて、名匠市川崑監督もうならせるテーマ曲を作り上げた。
よく料理を例に持論を話した。「老舗の味は究極のマンネリだが、常に勉強している」。そして「今日の自分より、明日の自分は少しでも成長しなくてはいけない」。前を見続けた音楽人生だった。【笹森文彦】



