芸能リポーターとして活躍した、目黒区議会議員の須藤甚一郎(すどう・じんいちろう)さんが11日午後4時ごろ、多臓器不全のため神奈川県内の病院で亡くなった。

81歳。通夜は18日午後5時、葬儀は19日午前10時から、いずれも東京都世田谷区瀬田3の6の8公益社用賀会館で。喪主は長男の須藤健太郎(すどう・けんたろう)氏。

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須藤さんは01年7月の参院選に立候補した際、東京・巣鴨で選挙活動中に日刊スポーツのインタビューに応じ「ワイドショー魂」を明かしていた。マイクを手に、主婦らに「小泉(純一郎)さんをどう思います?」と次々“逆取材”していた須藤さんに、当選後のプランを聞くと「参院議員になったら、何か問題があれば単独でカメラ、ビデオ片手に飛んでいく。時には張り込むし、サングラスで変装して“忍者”にもなる。とにかく現場主義ですよ!」と熱く語った。

庶民の感覚も忘れなかった。暑い夏だったが「この前、バス代がもったいないから(東京の)板橋から池袋まで4キロ、歩いちゃった」と笑顔。額の汗をぬぐいながら「僕は今も1000円のシャツに、1000円のネクタイです。今の政権幹部に庶民の感覚はあるのか」と続けた。会見などでは大物でも忖度(そんたく)なしに、聞きたいことを聞いた。視聴者や市民が知りたいことを伝える姿勢を貫く、ジャーナリスト精神が全身にみなぎっていた。