オリックスに1ー2で勝利し、対戦成績3勝2敗で20年ぶり6度目の日本一を達成したヤクルトに27日、さだまさし(69)が祝福のコメントを寄せた。

「美しいシリーズ!! スワローズがまさかの日本シリーズ制覇! それにしても本当に素晴らしい日本シリーズでした。スワローズが勝てたから言うのではなく、4勝2敗という数字では決して説明できない、全試合ワクワク、ドキドキ、ハラハラしながら楽しめた紙一重の『名勝負』でした。どちらのチームも『綺麗な野球』で、僕だけでなく、スワローズのファンの多くはバファローズが好きになったと思います。素晴らしいチームだと感動しました。もしかしたらバファローズファンもスワローズを気に入ってくれたのではないか、野球好き同士なら解る、そんな気がします。ほんのちょっとの運や流れで勝ち負けは変わる残酷なものですが、力の差は全くなかったと感じます。僕自身はペナントレースを勝ち抜いたとき2年続けて最下位という屈辱感から胸にたまったものが全部吐き出されるような喜びに浸りました。これはバファローズファンも同じだと思います。ですから心のどこかで日本シリーズの勝ち負けにはほとんどこだわっていなかったのです。だからこそ純粋に楽しめたのかもしれません。この名勝負を演出したのは両チームの投手陣です。双方の投手がみな素晴らしかった。個人的には仲良しの石川雅規投手の『日本シリーズ初勝利』がむちゃくちゃ嬉しかったですが、初戦でもの凄い逆転サヨナラ負けをしてバファローズに傾いた流れを、2戦目の高橋奎二投手の熱投がスワローズに変えた、あれこそMVPの働きでした。それにしても山本由伸、宮城大弥投手の素晴らしかったこと。達人剣客同士のつばぜりあいのような怖ろしいほどの『必死の闘い』の醍醐味を久し振りに味わいました。まことに見事な日本シリーズでした。勝ったから『嬉しい』というような単純な思いではなく、この両チームの試合をもっともっと見ていたいと思わせてくれる素晴らしいシリーズに感謝します。勝ったから嬉しいという単純な思いではなく、両チームの選手に、心からありがとうを伝えたい。ただただ感動しています」(原文ママ)。