「夕暮れ時はさびしそう」などのヒット曲があるフォークグループNSPのメンバーとして活躍した歌手の中村貴之(なかむら・たかゆき)さんが27日、死去した。68歳。29日、中村さんの公式サイトで発表された。肺がんで闘病していた。

中村さんの公式サイトでは「かねてより病気療養中でありました中村貴之は、11月27日に永眠いたしました。ここに故人のご冥福をお祈りし謹んでお知らせ申し上げます」と報告し「通夜及び告別式は、コロナ禍の状況もあり、近親者のみで執り行われます。皆様におかれましては、ご自宅にてご冥福をお祈りいただければと思います」。ファンに向けては「中村貴之を長く応援いただきました皆様には、心より感謝申し上げます」とつづられた。

NSPは一関工業高専(岩手)同級生の中村さん、天野滋さん(05年死去)、平賀和人の3人で結成。73年、ポプコン出場をきっかけにシングル「さようなら」でデビューした。叙情派フォークで人気となり、74年に「夕暮れ時-」がヒット。アルバムセールスは計300万枚を超えた。「夕暮れ時-」は19年から、東北新幹線の一ノ関駅の発車メロディーにも起用された。

天野さんが亡くなった後、中村さん、平賀、元ふきのとう細坪基佳でスリーハンサムズを結成。今年に入って、新型コロナウイルス禍や、中村さんの加療のため、公演中止が続いていた。