総賞金2000万ドル(約31億円)、優勝賞金1000万ドル(約15億5000万円)。世界最高の賞金額を誇るG1サウジカップ(ダート1800メートル、キングアブドゥルアジーズ)が2月22日(土曜)に行われます。

舞台となるキングアブドゥルアジーズ競馬場は米国のベルモントパーク競馬場をお手本につくられた左回りのダートがメインの競馬場。コースはほぼ平たんで、ダートコースの1周は約2000メートル、幅員24メートル。サウジカップは向正面の右奥にのびるシュートを使ってワンターンの競馬です。芝コースはダートコースの内側にあって1周が約1800メートル、幅員は20メートルで、直線は約500メートル。ダート、芝ともに強い日差しでの乾燥を防ぐために散水が頻繁に施され、芝は馬の脚に負担のかからない“Good to Firm”にコントロールされています。

今年、出走する14頭のうちサウジアラビア(KSA)籍で出走を予定するのはエルコディゴ、インテンスフォーミー、アルムスマク、ウェイトトゥエクセル、ウートンサン、ディファンデッドの6頭。これに現地馬主に一部権利が売却されたラトルンロールも加えると、出走馬の半数が地元勢となります。

地元馬として参戦する馬たちの中で最も高い評価(レーティング)を得ているのが、アルゼンチンから輸入されて、現地馬主の所有馬として大一番に挑むエルコディゴとインテンスフォーミーです。2頭の比較では南米でG1・5勝のエルコディゴの方が格上ですが、これをG1カルロスペレグリーニ大賞(芝2400メートル)で差し切ったインテンスフォーミーの評価も高く、ワールドベストレースホースランキングのレーティングはともに116で並立しています。

エルコディゴは通算14戦9勝2着3回。昨年6月以降は2400メートル、もしくは2500メートルを主戦場にしています。芝もダートもこなす二刀流で、特にダートでは9戦7勝2着1回と好成績。キャリアをさかのぼると、昨年3月にパレルモ競馬場のダート1800メートルで行われた一般戦をクビ差で制していますが、主戦でサウジカップでも手綱を取る予定のグスタフ・エミリアン・カルヴェンテ騎手は2400メートル戦に高い適性を認めていて、忙しい競馬はあまり向いていないようです。久しぶりの距離の克服が上位進出のカギを握りそうです。

インテンスフォーミーは通算15戦8勝2着2回。そのうち、ダートは一昨年5月のデビュー戦と2戦目(ともに1600メートル)の2度だけ。結果は5着、3着と芳しくありませんでした。近3走は芝2400メートルで3、3、1着。カルロスペレグリーニ大賞では目の覚めるような末脚を爆発させてゴール前でエルコディゴをきっちりと捉えました。父のフォーティファイはフォーティナイナー系ディストーテッドヒューマー直仔で米国2勝、G1ホープフルステークス2着。代表産駒のジョイカネラ(アルゼンチン3歳牝馬チャンピオン)やナスティア(G1アルゼンチンオークス)はダートで活躍しているので、あながちダートがだめなわけではないようですが…。

過去に南米からサウジカップに挑戦した馬には22年のアエロトレムがいます。ウルグアイを拠点にしたアエロトレムは同国で行われた国際競走のG1ラテンアメリカ大賞(ダート2000メートル)優勝をステップにサウジカップに臨み、勝ったエンブレムロードから6馬身4分の1差の5着で入線。日本のマルシュロレーヌ(6着)やテーオーケインズ(8着)に先着しました。今年の2頭は、これを上回る成績を残せるでしょうか。(ターフライター奥野庸介)

※レース成績等は2025年2月21日現在