久保建英(18)は今回の遠征で4試合出場した。最初の2試合とあとの2試合は、プレー内容が違った。

特に伸び伸びとプレーした初戦のバイエルン・ミュンヘン戦で大きな可能性をみせた。しかし2戦目のアトレチコ・マドリード戦で、スルーパスがカットされて失点してから、消極的になった。特にフェネルバフチェ戦は、横パスを多用した。チャレンジしない久保なら、ジダン監督の心はつかめない。

後半35分すぎ、久保はボールを奪いにいったが取れなかった。フィジカルの強いベンゼマなら取っているはず。トップで通用する体ではなく、守備でアピールする機会を逃した。球際もまだ甘い。レアルはバルサと違って攻守のバランスを大事にする。バルサは攻撃力の高い選手なら、守備に目をつぶる。しかしレアルは、攻守の両方できないと、出番がもらえない。

4試合の久保の成績表は、攻撃頭脳◎、攻撃力○、テクニック○、メンタル△、守備×、フィジカル×。シーズン中にもチーム練習とは別に、筋トレと体幹トレーニングを続けることが必要だ。加えて、攻撃の失敗を気にせず、どんどん仕掛けるずぶとい心があれば、トップへ近づく。(日刊スポーツ評論家)

ベンチで戦況を見つめる久保。左はセルヒオラモス(ロイター)
ベンチで戦況を見つめる久保。左はセルヒオラモス(ロイター)