香港との力関係があったから一概にほめられないが、日本は左サイドの菅がよかった。1点目のシュートを打っている場面は長友に近いイメージ。パワフルで運動量があって、気分がプレーに乗っていくのが見ている人に分かるのもいい。例えばこれが韓国に見せられるか。そこでも左サイドを支配できるのであれば、五輪だけでなくA代表でも楽しみになる。

全体で気になったのは敵陣ゴール付近まで球を運ぶ点では中国戦より改善されたが、その際の人のバランスが悪い。サイドに多い場合で4、5人もいて、たとえ局面を打開したとしてもゴール前に1人しかいない。非効率な攻撃を仕掛け、球を奪われれば即カウンターからの失点危機に直面していたはずだ。

注目された仲川は、スピードを生かすスペースがなかった。だから守備でリズムを作ろうとして、攻撃までの余裕がなかった。次回に期待したい。(日刊スポーツ評論家)