サッカー現場発

誇らしげ「私は素晴らしい」仙台新守護神は見事適応

7月にポーランドからやってきたベガルタ仙台の“クバ”ことGKヤクブ・スウォビィク(28)が、新守護神としての地位を築いた。

仙台GKヤクブ・スウォビィク(19年撮影)
仙台GKヤクブ・スウォビィク(19年撮影)

仙台にとって日本代表GKシュミット・ダニエル(27)のベルギー1部シントトロイデンへの移籍は大きな痛手だった。それでも背番号1が去った1週間後からゴールを守り好パフォーマンスを見せている。

加入会見では「私は素晴らしいGK。コーチングとディフェンスを助けるプレーが得意。成長、家族のために決断した」と初の海外移籍に自信を示した。8月3日の磐田戦では、交流がある同国出身の磐田GKカミンスキー(28)と直接対決。「Jリーグに来る際にステップアップにいいとアドバイスを受けたので、うれしい再会」と試合後は笑顔で談笑した。8月10日の東京戦では、得点ランク首位のディエゴ・オリヴェイラ(29)とPKで対峙(たいじ)。相手に近づき「絶対止めてやる」と声をかけ、1度はシュートストップしたが、蹴り直しになり得点を許した。それでもキッカーと駆け引きして、自信満々に立ちはだかる姿は頼もしかった。

Jリーグでは近年、韓国人を中心に外国人GKが活躍。スウォビィクも同様にすんなりなじんだ。コミュニケーションが特に必要なポジションで言葉の壁なども心配されたが、チームメートの名前もすぐに覚えた。練習から「キーパー」「ガンバレ」「アップアップ」と日本語と英語を交えながら大きな声で仲間をもり立てる。休日は日本語習得と体を休めることに時間をそそぐまじめな性格で、記者陣とも「コンニチハ」「サヨナラ」とあいさつ。さわやかな笑顔が魅力のナイスガイだ。

日本での生活も慣れてきて、週2回食べるほどのすし好き。お気に入りはマグロとサーモンだ。さらに牛タン、梅干し、カツ丼など毎週新しい日本食にチャレンジしている。その中でも仙台名物の牛タンは「こんなにおいしいものがあるなんて」との感想だ。しかし、健康のために勧められた納豆は苦手だ。しばらく離れ離れだった妻と娘も8月に来日し、落ち着いたらディズニーランドに行きたいと話す。

渡辺晋監督(45)は「相手シューターに寄せきる速さは日本人にはない一番の強み」と評価する。前任者シュミットのように攻撃の組み立てに参加するタイプではないが、ビッグセーブで流れを引き寄せる。ほとんどミスもなく身体能力も高い。最後の最後でさらに体が伸びる印象だ。特にミドルシュートやFKのストップに期待がかかる。リーグ戦も残り少なくなってきた。新守護神“クバ”の活躍が仙台浮上のカギを握る。「シュミットロス」とは言わせない。【山田愛斗】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

◆山田愛斗(やまだ・まなと) 1989年(平元)3月27日生まれ、神奈川県出身。趣味はマラソンで自己ベストは3時間13分。海外サッカーの推しチームは英プレミアリーグのリバプール、好きな選手はブラジル代表フィルミノ。

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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