日本代表のバビド・ハリルホジッチ監督(65)が5日、マリ、ウクライナと対戦する今月のベルギー遠征にMF井手口陽介(21=クルトゥラル・レオネサ)とFW浅野拓磨(23=シュツットガルト)の招集を見送る方針を打ち出した。W杯ロシア大会出場を決めたアジア最終予選オーストラリア戦でゴールを奪い、世代交代の象徴となった若手2人だが、現在は所属クラブで控えに甘んじる。出場機会の少ない選手の代表入りに指揮官は否定的な見解を示した。

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 東京・JFAハウスで行われた今年初の日本代表スタッフ会議後に取材に応じたハリルホジッチ監督の表情は、ぶぜんとしていた。「浅野、井手口という若い選手2人は現在チームでメンバー外になっている。現在の状況では3月に呼ぶことは難しい」。W杯出場をかけた一戦でともにゴールを奪った立役者。次世代の主力候補でも、例外は作らなかった。

 2人の状態が上がっていないと判断した。「オーストラリア戦での彼らの姿は覚えているが、クラブで出場できていなければW杯で呼ぶのは難しい。サッカーとは残酷なときもある」と強い口調で話した。右FWで浅野とポジションを争うFW本田がパチューカで好調を維持しており、手倉森コーチが現地へ視察に訪れている。ただハリルホジッチ監督は「直接視察にいったからといって呼ぶかは別」を淡々と話した。

 DF吉田やMF香川らケガ人が相次いでいる中で向かうベルギー遠征。「乾もケガがあるかもしれないと聞いている。10人くらいけが人がいる」としながらも「Jリーグでは清武、今野、内田も」と言及し、今季鹿島に復帰したDF内田も構想に入っていることを明かした。

 今日6日でW杯開幕まで100日。出場機会の減少やケガ人の発生など不確定要素が多いだけに「できるだけ多くの選手を見ておきたいと考えている」とも話した。ポルトガルで絶好調のMF中島にも注目。「みなさんは感情でお気に入りの選手がいるようですが、私は違う」。過去の実績で代表を選ぶつもりはない。【岡崎悠利】