来年ペルーで行われるU-17W杯への出場権を懸けた大会で、日本はタイから5点を奪って逆転し、白星発進に成功した。

DF陣の寄せの甘さをつかれ、試合開始わずか1分で左サイドから強烈なシュートを決められるまさかの展開だった。それでも地力で圧倒しての勝利に、森山佳郎監督(50)は「試合の入りで失点する難しい試合だったが、選手がよく逆転してくれた。後半は相手ペースだったが、それでも最後の1点は選手のたくましさを示したものだった。ただ、思い通りの試合はまだまだできず、課題も残った」と振り返った。

失点して重苦しいムードが漂ったが、前半6分にタイのDF陣のクリアがミスキックとなり、ボックス内の荒木遼太郎(16=東福岡)の足元に転がり、これを確実に蹴りこんで同点とした。「こぼれ球が来たので、きっちりコースに打ち込むだけでした。荒木は前半に2得点を奪い、チームの原動力となった。試合後は「最初に失点して、雰囲気が悪くなるのかなと思ったけど、自分たちで立て直すことができた」と、苦しい状況を打開したことに手応えをつかんでいた。

注目のエース西川潤(16=神奈川・桐光学園)は無得点に終わった。タイDF陣の執拗(しつよう)なマークにあい、予想していたとはいえ、厳しい国際大会の激しさを実感した様子。ただし、大会直前には「相手は引いて守るだろうし、自分もマークされることは覚悟しています」と言っており、これくらいのチェックは乗り越えていかなければならない。試合の中でもDF陣を2人引きつけながらボールを失わずに、左サイドから惜しいクロスを上げており、チームが勝つための動きを常に考えていることを感じさせた。

1次リーグA組のもう1試合はマレーシアがタジキスタンに6-2で大勝。日本代表が23日にタジキスタンに勝ち、マレーシアがタイに勝てば、日本は第3戦を待たずに決勝トーナメント進出が決まる。