東アジアE-1選手権の初戦で日本(FIFAランク24位)が香港(同1145位)に6-0で大勝した。
前半2分にMF相馬勇紀(25=名古屋)が先制の直接FKを決めるなど2得点をマーク。昨夏U-24日本代表として東京五輪に出場したが、A代表からは遠ざかった。W杯代表の座は狭き門だが、五輪組がA代表で活躍する姿を刺激にし、目に見える結果を残した。2連覇を狙うなでしこジャパン(女子日本)は韓国に2-1で競り勝った。
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格下の香港の出ばなをくじいたのは相馬だった。開始2分、約20メートルの左よりからのFK。迷いなく右足を振り抜くと、GKの手に当たってゴール左へ決めた。「あの角度に自信を持っている。ひとつ決められてよかった」。目に見える結果を出すと宣言していた。有言実行の1発だった。
6月の日本代表戦はテレビで観戦。東京五輪で共闘したMF三笘らが躍動するのを見た。「自分がそこに選ばれるだけの活躍をしていたかと言えば足りなかった。数字で示すことが大事だと再認識した」。期するもの持って臨んだ今大会。FIFAランク24位の日本に対して、香港は145位。「素直に喜ぶべきことだが、謙虚に次の試合に向かいたい」。大きく差のある相手に、ゴールはノルマだった。
前半だけで4得点として大勢を決め、後半10分にふたたびエンジンをかける1発を決めた。DF山根からの右クロスを右足ヒールで当てる鮮やかなシュートを決めた。だが、喜びを爆発させる様子もなし。五輪を通じて「(スペインなど)世界トップを肌で感じた。その基準は忘れない」。目指す場所は先にある。
11月開幕のW杯カタール大会に向けては「自分は当落線上よりも下」と客観視する。左サイドは三笘やMF南野ら、ライバルの壁は厚い。「個で打開できる攻撃と、守備でハードワークが持ち味。そこを前面に出したい」。結果を残し続けることが、道を切り開く唯一の方法。まずはあと2試合。自分のゴールで、森保ジャパンに初タイトルをもたらす。【岡崎悠利】
▼最速ゴール 相馬が開始2分に直接FKで代表初得点。日本代表で前半2分以内の得点は18年11月20日の親善試合キルギス戦での山中亮輔以来。前半1分の得点は釜本邦茂、福田正博、名波浩、中山雅史、高原直泰が記録している。Jリーグ創設以降、今回の相馬の前半2分の直接FK弾は、小笠原満男が05年2月9日のW杯アジア最終予選・北朝鮮戦でマークした前半4分を更新する最速記録。
○…森保監督は選手に感謝した。チームとして満足に練習できる時間がない中、自主的に意思疎通を図ってくれたといい、「初代表の選手や久しぶりの選手らがいて(意思、連係を)合わせる時間が必要な中、選手たちが“絵(=イメージ)”を合わせてくれた」。24日の中国戦へ「次の試合は今日出られなかった選手を多く起用しながら、戦っていこうと思う」とした。
○…FW宮市は後半途中出場し、約10年ぶりに日本代表戦のピッチに立った。相手が引いて守ったことで持ち味のスピードを見せる場面は少なかったが、左サイドから積極的に前線に上がってプレーした。度重なる大けがを乗り越えてカムバックし「勇気づけられるようなプレーをしていきたい」と語った29歳が、元気な姿を見せた。
○…MF西村はデビュー戦で2得点を決めた。前半22分にペナルティーエリアで相手2人に囲まれながら右足でゴール右へ。同40分には、左足でドライブ回転のミドルシュート。トップ下で躍動した。W杯本大会に向け、同ポジションには海外組の久保、鎌田らがひしめく中で「自分は自分。他の選手とは違いますし、自分のプレーを出すことが、チームの力になれる」と堂々としていた。

