東京FW石川直宏(33)が熟練の「形」で、味スタでのリーグ戦では1年11カ月ぶりのゴールを決めた。前半15分にMF米本からのロングボール。蹴る前に走りだしていた。自ら生み出したスペースに走り込んで、右足でコントロールし左足でシュート。「スペースをつくるためにタメをつくるまでは意識するけど、そこからは体に任せた」。裏に飛び出し、トラップ、シュート。一連の動きを「僕の生命線」と言い切った。

 5月に34歳を迎え、ベテランの域にさしかかる。年を取れば故障も増えるが、引き出しも増やせる。椎間板ヘルニアを抱え、13年5月には、かばって痛めた右足首を、14年4月には腰椎の手術を決断。ようやく普通にサッカーがやれるまでに戻った。「この形は今までも決めたことがあるし、何度もやってきたから」。MF登録ながらリーグ49点目。積み上げた分だけ形を体が覚えている。年齢を重ねることにはネガティブなイメージがついて回るが、悪いことばかりではない。

 味スタでのリーグ戦に先発するのは、12年11月17日神戸戦以来。その間に2人目の子どもが生まれ、この日初めて2人の愛娘を連れてピッチに入場した。「いつ(一緒に入場が)できなくなるか分からないから。1歳半の子は怖がっていたけど。今日は何が何でもという感じだった」とすっかりパパの顔。年を取ると、新たなモチベーションも生まれるものだ。【栗田成芳】