J2の東京Vが12日午前、始動した。

 02-03年シーズンにセルタを欧州チャンピオンズリーグに導くなど、スペインリーグで20年指揮を執った、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(59)は、初日から戦術練習を敢行。パス1本から、自らのコンセプトを選手に熱っぽく伝えた。

 ロティーナ監督は時に、自らボールを蹴り、「右足と左足を使おう」などと選手に声をかけた。選手に歩み寄り直接、細かな要求を伝える場面も、しばしば見られた。午前練習の最後には、3-4-3のフォーメーション練習を行い、攻め方、守り方の基本を繰り返し、選手に伝えた。

 ロティーナ監督は午前練習後、報道陣の取材に応じた。その中で「最初の練習は(選手との)ファーストコンタクトなので、基礎的なことをやった。リーグ戦で大切にしてほしいことの概要をやりました。すごく一般的で、基礎的なコンセプトを確認したのです。午後は、もっと細かいコンセプトを確認していきたいと思っています」と午前練習の意図を説明した。

 基礎的なことと語ったが、練習始動日はジョグやボール回し、ミニゲームなど、体を慣らす練習を行うことが一般的。始動から、自らのサッカー、戦術のコンセプトを伝える練習を行うことは、国内のチームでは極めて異例だ。スペインと欧州の戦いを知る知将が、始動日から、いきなりスペイン流を見せつけた。【村上幸将】