<半端ない青春~高校サッカー・クローズアップ>

 試合後も涙は見せなかった。「後悔はないです。本当にこの代のマネジャーになれて良かった」。流通経大柏の大久保マネジャーは明るい声だった。各学年2人ずついる女子マネジャーは希望者が多く、時には競争率が10倍以上。狭き門をくぐり抜けて入部し、あっという間の3年間だった。

 全国総体との2冠まであと1歩だったチームの強さを大久保マネジャーは「全員の仲がいい。そして優しい。いいやつらなんです」と力説。何かを渡すと必ず「ありがとう」と返答がある。水の入ったボトルを返すときは静かにゆっくりと置く。「私たちにしか分からないことです」。

 決勝後のロッカールームでは負けを引きずらずに部員も片付けを手伝った。「7分ぐらいですぐに部屋を出られた」。3年間の感謝の言葉ももらい「ここまで連れてきてくれてありがとう、と返しました。毎日部活に行く生活で、本当に楽しかった」。10大会ぶりの優勝は届かなかったが、思い出は一生輝き続ける。(おわり)【松尾幸之介】