ベガルタ仙台は15日、1次キャンプ地の沖縄・糸満市に到着し、前身のブランメル仙台が97年に行って以来21年ぶりとなる沖縄キャンプをスタートさせた。当地は気温21度で、春の陽気に包まれていた。マイナス1度の仙台空港から、温度差22度とあって、汗ばむほどの陽気に、イレブンの表情も自然に緩んだ。

 糸満での歓迎セレモニーに臨んだ仙台渡辺晋監督(44)は「2日前、仙台のグラウンドは凍ってました。こんなに暖かい素晴らしい環境で練習ができるとは驚きです。毎朝、雪の心配をしなくてもいいですが、ホテルも素晴らしいし、選手がリゾート気分にならないか心配です」とジョークを交えてあいさつした。

 1次キャンプは有酸素、体幹、持久的なトレーニング中心に体力強化を図る。昨年までの鹿児島キャンプでは例年雪に見舞われるなど、選手のコンディション管理が難しかったが、始動したばかりの選手にとって、温暖な環境がオーバーワークを招く可能性もある。

 地元の子供たちと和やかな雰囲気のサッカー教室を終えた渡辺監督は「明日からは徹底的に厳しくやりますよ。ただ、テンポがよすぎるとオーバーワークになる。最適なバランスを見ながら、ぎりぎりのところで手綱を引き締めてきたい。僕たちの腕の見せどころ」と、細心の注意を払っていく。浦和時代に沖縄キャンプを経験しているMF石原直樹(33)は「一気にやりたい気持ちもあるが、体とうまく相談して、けがをしないように調整したい」。海人(うみんちゅう)の港町から、厳しく慎重に船出する。【下田雄一】