ロアッソ熊本から加入した、大宮アルディージャMF嶋田慎太郎(22)が、ツエーゲン金沢戦の後半41分に大宮移籍後の初ゴールを決めた。土壇場でのゴールは値千金の同点弾となり、チームの連敗を2で止めた。

 嶋田は後半26分に、MF茨田陽生と交代でピッチに入った。そして1点を追う同41分、左サイドのMFマテウスからのパスを中央で受けると、利き足ではない右足を振り抜き、決めた。「相手も来ていたので一瞬、迷ったんですけど、右足で置いて、選択肢はシュートしか考えていなかった。思い切り振り抜いたら、いいコースに飛んだので良かったです」と振り返った。

 石井正忠監督(51)は試合後の会見で「得意ではない右足ですけど、コツコツ練習した成果が出た」と嶋田の日々の努力を評価した。嶋田は「右足では、あまりシュート練習はしない。試合の時しか、逆足でのミドルシートは出ないと思う。ひらめきというか、一瞬の選択でした。不安を感じる時間もなく、ただただ、無心で振り抜いただけ試合で1発、決められたので良かった。クロスの練習は右足なので、生きたのかな」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。今後、右足でのシュートを練習するか聞かれると「逆に練習しないで、試合に取っておきます」と言い、取材陣を笑わせた。

 次節は21日にアウェーで古巣のロアッソ熊本と対戦する。「早く自分の中でも(移籍後初の)ゴールを決めたかった。自信がついてくると思うし、ゴールを取れるような選手になりたい。古巣ということで、お世話になったクラブ。対戦できるのは、うれしいこと…でも、大宮の一員として熊本をつぶしたい気持ちがあります」と必勝を誓った。【村上幸将】