ジュビロ磐田は大卒ルーキーFW中野誠也(22)が、プロ初ゴールを決めるも、北海道コンサドーレ札幌に2-3で逆転負けした。

 プレッシャーをはねのける1発だ。1-1の前半44分。公式戦初先発の中野が、待望のプロ初ゴールを奪った。MF山田大記(29)のスルーパスに抜け出すと、懸命に右足を伸ばしてトラップ。体勢を崩しながらも踏ん張り、ツータッチ目の右足でゴール右に流し込んだ。

 リーグデビューとなった今月1日のホーム浦和戦では、途中出場しながらも、無念の途中交代を告げられた。それゆえに、前日には「もう1度、自分のプレーというものを見せたい。この場所でもらえた(先発の)チャンスを逃してはいけない。こぼれ球でもいい。ゴールを取りたい」と話していた。そして、残したのが、「勝ち越し点」という大きな結果だ。

 中野の背中は、ベテランが押した。0-1の前半33分。MF太田吉彰(34)が、MF松本昌也(23)の折り返しを左足で流し込む同点弾を決めた。16年6月25日、リーグ仙台戦以来のゴールでチームに反撃ムードをもたらした。

 前半で逆転に成功したが、後半24分に落とし穴が待っていた。一瞬のスキを突かれ、クロスから失点。同点とされた。名波浩監督(45)は、同26分にMF荒木大吾(24)、同33分にはFWモルベッキ(20)を移籍後初出場させるなど最後まで勝ち越し点を狙った。

 しかし、同45分にサイドを崩されて勝ち越し点を献上。土壇場で逆転を許すと、反撃する力は残っていなかった。ルヴァン杯3連敗中だった最下位札幌に、痛い黒星。中野の1号もフイになった。【前田和哉】