アルビレックス新潟はFC岐阜に逆転を許して1-2で敗れた。前半10分の先制弾は、FW渡辺新太(22)だった。2試合ぶりの得点は、リーグ戦ここ5戦5発となるゴール量産。だが前半のうちに追いつかれ、後半に勝ち越しを許し順位は暫定で9位から11位に後退した。乗り切れないチームだが、ルーキーの得点への意欲はさらに加速する。

 1人気を吐いた。渡辺新が2試合ぶりのゴールでアウェーに駆けつけた新潟サポーターを沸かせた。前半10分、MF戸嶋祥郎(22)のシュートのこぼれ球を拾うと、ゴールマウス右から強烈な1本。「こぼれ球は得意。俺のところにこぼれてくるんですよ」。前節山形戦で連続得点が3試合でストップした。だが、勢いは衰えていない。「岐阜戦からゴールを続けます」。試合前の宣言を実行してみせた。

 第11節山口戦から6試合連続スタメン。初ゴールを決めた第12節金沢戦からこれで5戦5得点と驚異的なペースでゴールを量産している。「1試合の中にチャンスは必ずある。それを決めればいい」。この日は戸嶋と並んでチーム最多の3本のシュート放った。積極的な姿勢が結果につながっている。

 それだけに勝ち点3を奪えなかったことに悔いが残る。「自分自身もチームとしても、追加点を取れる場面があった。そこを逃さないようにしないと」。1得点に終わった試合内容に不満顔だ。

 左足首の靱帯(じんたい)損場で離脱していたFW河田篤秀(25)が4試合ぶりに復帰。今季4得点のその河田を上回って、渡辺新がチーム最多得点となった。乗り切れないチームにあってルーキーがけん引役になりつつある。「毎試合取り続ける。勝利につながるゴールが欲しい」。一段と増すゴールへの意欲が、チームの希望になった。【斎藤慎一郎】