3月31日V・ファーレン長崎以来となるホームのリーグ戦白星が遠い。ベガルタ仙台が1-2で敗れ、最下位の名古屋グランパスに16戦ぶりの白星を許した。0-2の後半8分、MF中野嘉大(25)のリーグ戦今季初ゴールで詰め寄ったが、あと1歩届かず。今季先制を許した試合は4分け7敗の未勝利で、逆転につなげる勝負強さに課題を残した。

 後半ロスタイム、「仙台、レッツゴ!!」のコールが鳴りやまない。ボールが相手に渡ると切り替わるのが常だが、この日は最後までやまなかった。後半8分、右サイドを崩したMF蜂須賀孝治(28)からのボールをMF中野がシュート。中野は倒れながら、自ら押し込んだ。途中投入されたFWハーフナー・マイク(31)もボレーシュートなどでゴールを脅かしたが、決めきれなかった。蜂須賀は「後半は右サイドなので、声援を背にいい突破ができた。『3点取り返すなら、こんな声じゃ足りないぞ!』との声が耳に入って気持ちが入った。感謝の気持ちは勝利でしか返せないので悔しい」と振り返った。

 仙台はこの日、観測史上最高の37・3度を記録。日中は酷暑にさらされたピッチも、午後7時開始頃には涼風が流れ込んだ。だが前半開始直後、まさかのアクシデント。2シャドーの一角を担うMF矢島慎也(24)が左太もも裏を痛め、担架で運ばれ退場した。序盤から貴重な交代カードを1枚失い、後半の勢いをそがれた形となった。それでも95分間、走り続けたイレブンには、サポーター席からねぎらいの声が途切れなかった。【下田雄一】